メイン画像

地球生命圏研究機構

SELIS セミナー

日時

2009年10月1日(木) 17:00~

場所

地球水循環研究センター・3F大講義室 (301号室)      

講演者

山本 進一(生命農学研究科 教授)

「Primary forest ecosystem におけるギャップ動態

                 ~環境不均質性と種多様性~ 」

講演内容

  ギャップ(gap)とは森林の上層である林冠に形成された欠所部(穴) のことで(生態学事典参照)、一般的に林冠木の更新は林冠木の枯死や傷害によるギャップの形成とそこでの1本から数本の林冠木の単位でおこり、この過程をギャップ動態(gap dynamics)あるいはパッチ動態(patch dynamics)と言う。ギャップが森林動態、特に更新動態に重要な役割を果たしていることは比較的早くから指摘されていたが、極相説の論争にかき消されて1980年頃までギャップ動態に関してほとんど扱われてこなかった。ところが、近年、Primary(oldgrowth, overmature or primeval) forest ecosystem(以後、PFE と略称)の維持機構に関して、このギャップ動態が森林動態・遷移理論・生活史戦略・繁殖パターン・生物多様性・生態系炭素循環、等の視点から重視されている。そして、これらに密接に関わる1)ギャップの実態(gap parameter)、2)そこでの樹木の更新戦略、3)森林の遺伝構造に与える影響、4)carbon budget、等について、かなりの知見が蓄積されつつある。今回のセミナーでは、ギャップ理論を紹介し、わが国の温帯と亜寒帯における森林タイプの異なるPFE(暖温帯常緑広葉樹林、冷温帯落葉広葉樹林、亜高山帯常緑針葉樹林)でのgap parameter(ギャップ動態の基本的パラメータ)の地上調査と低高度空中写真解析による実測値を示し、森林が動的に維持されている仕組について考えてみる。