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地球生命圏研究機構

設立の趣旨と目的

【趣旨】 

 名古屋大学では、1960年代から、大気水圏科学、地球惑星科学、地球電磁気圏物理学、太陽物理学など、地球システム、地球環境に関する観測的研究と理論・モデル研究が、地球水循環研究センター(旧大気水圏科学研究所)、太陽地球環境研究所、年代測定総合研究センター、環境学研究科などの部局・組織が中心となって、日本のみならず世界の当該分野をリードしつつ、進められてきました。特に、2003年度から実施した21世紀COEプログラム「太陽・地球・生命圏相互作用系の変動学」(SELIS-COE)では、これらの関連研究・教育組織が強力に連携することで、研究分野間の壁を取り除いた新た研究教育体制の整備が進みました。特に、地球システムを、人類活動をも包含した生命圏の役割も含めて理解する、「シームレス地球学」の研究・教育を体系的に推進する枠組みが、全国の大学に先駆けて形成されました。本機構の提案は、地球科学と生態学を中心とする生命圏科学の融合をめざす「地球システムとその変化に関する研究」を活性化・推進する新たな国際的な流れを先取りした枠組みともいえます。
 現在、「地球温暖化」に代表される地球規模の環境問題の解明と解決には、物理・化学的な研究手法を基礎にした従来の地球科学と生態学を中心とする生命圏科学とを融合したかたちの新しい地球生命圏科学の構築が必要です。国際的な研究プログラムであるWCRP(世界気候研究計画)、IGBP(地球圏-生物圏国際協同研究計画)、DIVERSITAS(生物多様性科学国際協同プログラム)、IHDP(地球環境変化の人間・社会的側面に関する国際研究計画)などは、ESSP(地球システム科学パートナーシップ)を形成し、地球システムとその変動に関する研究に向け、国際的な研究推進が進められています。しかし、わが国では、大学における従来型〔縦割り型の〕研究・教育制度により、この新しい学際的研究としての地球生命圏科学の研究・教育の体制の構築は非常に困難な状況にあります。この現状を打破して、地球システムとその変動の理解に向けた学内外および国際的な共同研究と教育を促進する新たな枠組みの整備は喫緊の課題であります。

 

【目的】 

 本学で独自に築かれてきたこのような先導的な研究・教育の枠組みを、生命農学研究科などの関連する組織教員の参加をも含め強化し、国内外の研究機関と密な連携が可能な研究教育組織へ発展させることは、人類・生命圏を含めた地球システムとその変動・変化の理解にとって非常に重要です。このような状況に鑑み、地球・生命圏研究の学内および国内外の連携拠点形成の第一段階として、学内の関係組織・部局の密な連携を図るために、バーチャル型の研究組織「地球生命圏研究機構」を設立しました。この機構は、学内での継続的な研究の活性化や発展、学際的な研究教育の充実にも必要不可欠であると考えられます。